当事者部門

「私たちの絆」 橋口 真理子

(注)応募時に無題だった作品は、作文コンテストのテーマである「私たちの絆」をタイトルとしています

私には今年6歳になる長男と、4歳になる長女がいます。
長男は健康で、優しく泣き虫です。

長女は歩くことも自力で座る事も出来ません。食事は胃ろうから1日4回注入し、栄養をとっています。
えずきがひどく、嘔吐ばかりしていたので、胃の手術を受けたり新生児の時に脳出血をおこし水頭症になり3ヶ月で初めてメスをいれました。

長女は904グラムと超低出生体重児で産まれました。病名はサイトメガロウイルス感染症です。
私は看護師で、2人目ともあり、きをつけながらも普段通りすごしていました。
夜勤前に、いきなりの破水、痛みはなく初めは尿が漏れたのかなと考えてましたが、そのまま緊急入院し翌日には帝王切開をし、出産しました。予定より3ヶ月も早かったのですが、たまたまか破水したのが自分の誕生日でなんだか不思議な感覚でした。

その時はまだ小さく産まれたけど、大きく育つでしょう、今は保育器の中で人工呼吸器でつながっている我が子に搾乳した母乳を毎日病院に持っていく事を頑張ろうと思っていました。

4ヶ月で退院した長女との在宅が始まり、体調を少し崩したら入院とそんな生活が続きました。
初めての入院は2週間で慣れない事ばかりで、窓のない部屋、酸素の音、ずっと泣いて苦しそうな長女をひたすら抱っこしてました。

自分は看護師だ。自分で吸引しなきゃ、清拭しなきゃ、着替えも点滴ルート通してと、とにかく迷惑かけないように、ちゃんとしなきゃって追い詰めてました。

ある看護師はお母さんが看護師だから…って前置きで話してくる人もいました。
でも、1人だけ長女をそっと抱っこして宥めてくれたんです。よしよし〜って。
私は涙があふれてました。ささいなことですが。その時の自分には、本当に嬉しかったんです。

それからも月に一度のペースで入院を繰り返して、今は体も4歳児平均になっています。移動は大変ですが、毎日笑顔に癒されています。

コロナ禍で生活が変わっても、病院には定期受診に行かなくてはなりません。
お兄ちゃんにも入院中や自宅にいる時さえもストレスをかけていると思います。

それでも、親である自分は名一杯の愛情で子供達を育てて行きたいです。
これからの事はどうなるか分かりません。
自分の体もいつどうなるか、このまま成長した時にお兄ちゃんに負担にならないか、自分もいつかは仕事復帰しなくてはとか考えだすと不安はつきません。

家族で支えあい、毎日をひとつづつ過ごしていく、そして周りの人への感謝を忘れない、今を一生懸命生きる、自分なりに出来る事をしてきいたいと思います。
産まれてきてくれた、奇跡にありがとう。

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