当事者部門

「ママ友は、優しい」 ひかり母

ひかりは、4度目の妊娠でやっと生まれてきてくれた子でした。

妊娠18週頃に受けた精密超音波検査で、「18トリソミー疑い」と診断され、羊水検査を受ける。19週で「18トリソミー確定」診断を受けて、22週前までに生むか生まないかの決断を迫られる。

初めて耳にした「18トリソミー」という病気について、調べまくり死産の可能性と、生きて生まれたとしても予後不良で、1歳になれる子は10〜30パーセントしかしないことを知る。
調べれば調べるほど本当に怖い。でも、生むか生まないかの決断を迫られていたので、考えている時間に余裕は無い。

とにかく実際に18トリソミーのお子さんを育てているご家族のSNSを検索しては、メッセージを送る、を1日に何度も繰り返し、情報を集めていました。皆さん本当に優しく、丁寧に返信を下さいました。会ったこともない赤の他人の私に、とても親身になって考えて下さっているのがわかりました。

初めは、生きて生まれたとしても、一緒に居る時間が長くなればなるほど、離れ難くなり、失った時のダメージに耐えられない気がして、諦めた方がいいのかも、と思っていました。
しかし、18トリソミーのお子さんを育てているご家族のSNSで見る、元気でかわいいお子さんの姿や、毎日大変ながらも楽しく暮らしている様子を見ると、次第に恐怖が薄れて行きました。

考えぬいた結果、この子の生命力に任せたい、と妊娠継続を選びました。
その後も出産までの「とにかく生きて生まれてきて欲しい」という願う毎日を、SNSで知り合ったご家族の皆さんが、日々支えてくれました。

無事に生きて生まれた後も数日後には、余命宣告を受け、転院し心臓の手術を受ける。
何とか生後6ヶ月の時にGCUを卒業し、念願のお家生活がスタートしました。

が、その数週間後には救急搬送で病院に出戻り。そこから月1回ペースで、4ー5回入退院を繰り返しました。

入院のたびに救急搬送で、毎回もうダメかもしれない、と弱気になりますが、その時もいつも18っこ(18トリソミーの子の呼称)ファミリーの皆さんが応援し支えて下さいました。また、ひかりが生きた証を残したく、生きているひかりを皆に見て欲しい、という思いで、産前からSNSを始めたのですが、そこでもいろんな病気と闘うお子さんを持つファミリーと繋がり、ただただ応援して下さる方とも繋がり、本当にたくさんの方々に支えてもらっていると実感しています。

もちろん、今のひかりがあるのは、医療従事者の皆さんのおかげです。

生まれる前に検査でお世話になったクリニック、病気が分かる前に通っていた産婦人科の主治医、病気が分かってから転院受け入れをして下さった病院、生まれてすぐに、今できる最善の治療選択を提供して下さった新生児科の主治医、生後数日後に心臓の手術を受け入れて下さった病院、その全てに関わった看護師さん、医療従事者の皆さん、呼吸器などの業者の皆さん。

GCU卒業後には、往診医の皆さん、訪問看護師さん、PTさん、成長とともに療育園に通うようになれば、そこで新たに出会うさまざまな病気とともに頑張って生きているお友達とそのファミリー。
ひかりのおかげでどんどん新しい繋がりと世界が広がっていき、妊娠前まで「ママ友は怖い」と思っていましたが、今では「ママ友は本当に優しい」に変わりました。

結婚すれば妊娠し、、、と簡単に思っていましたが、実際は妊娠は奇跡で、生きて生まれてくるのも奇跡だな、と今は思います。

何不自由なく生きてきた私は、赤ちゃんは元気に生まれて元気に育つのが当たり前、と思っていました。ひかりのおかげで、こんなにも世の中には病気の子がいて、毎日頑張って生きている。ご家族と毎日大変ながらも楽しく過ごしている子供達がいることをしりました。

ひかりを含む病気とともに毎日を懸命に生きている子供たちの姿を目の当たりにして、私は頭にドカーーーーーンとものすごい衝撃を受けました。五体満足に生まれているのに、何十年も生きてきて、私は何か世の中の為になることを一つでもしただろうか?と。

毎日バタバタと過ぎてしまいますが、1日1日を大切に生きなければ、と思うようになりました。小さな体で教えてくれることは日々たくさんあり、我が子ながらにすごい子だなと思います。

今年はコロナで世界中が大変な状況になりました。
以前より徹底した引きこもり生活になり、お友達やそのファミリーに会えない淋しさはありました。
しかし、元々LINEグループでつながっていたので、さまざまな情報交換や、お互いを励まし合い、とにかくこの状況を乗り切ろうと、より皆で団結した気がします。

ある時、希少難病のお子さんをもつママさんから、「18っこちゃんはいいよね。お友達がいっぱいいて羨ましい」と言われました。
希少難病なので、なかなか同じ病気のお友達に出会えず、情報も少なく困っているとのことでした。確かに18っこはteam18という家族会もあり、先輩ファミリーが本当に優しく、実のファミリーのような存在です。

18っこでも羨ましがられる事があるんだな、と弱い存在のはずの我が子を強く感じた瞬間でした。

ひかりのおかげで、私にも新たな夢ができました。私たちが今まで助けて頂いた分、少しでも誰かの役に立てる生き方をしたいのです。
 そして、私も誰かの「優しいママ友」であり続けたい、と思います。

ひかちゃん、18っこで生まれてきてくれてありがとう。

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