当事者部門

「絆 ー夫へー」 あまね

絆という言葉を思い浮かべた時に、色んな人が思い浮かびつつ、やっぱりこの人以外の選択肢はないなと。今日は夫について書こうと思う。

少し恥ずかしいけど、今日は私たち家族、特に夫との思い出を振り返りたい。

私たちの第二子の息子は、2019年8月26日に生まれた。

妊娠中に異常は見つからず、産後8日目に発熱し、病院で心臓の動きが悪いと言われ、救急車で運ばれてICUに入った。

「心臓の左心室が動いてない。心筋梗塞です。

当時は、医者にそう言われてもよくわからなかった。

後でやっと理解できたが、息子は心臓の太い血管であるはずの冠動脈が非常に細く、左心室の外側の壁に血液が行き届かないために石灰化していた。

左心室は全身に血液を送る非常に重要な部分である。

数ヶ月後にセカンドオピニオンにも行き、さまざまな医師に意見を聞くと、よくこの状態で生きてる、まず産まれてきたことが奇跡だと言われた。

その時にだいぶ状況も飲み込めて受け入れられたが、息子が入院した当時は、絶望としか思えなかった。

何度も悪夢なら早く覚めてほしいと願った。

一生分泣いたと思えるほど涙が止まらなかった。

入院した次の日に容態が悪化して医者に呼ばれ

「もう生きられない。お別れを言ってください。」と言われた。

もう一緒にいられないのかと夜通し息子の手を握りしめていたが、なんとか容態が持ち直した。医者から状況を説明されて、少し落ち着いたから、とりあえず一回家に帰って休もうとなった。

病院から駅に向かう道中、横を見ると一緒に歩いていた夫が泣いていた。正直かなりびっくりした。夫は普段悲しみを表現することはほとんどなく、私の前で泣いたところは一度も見たことがなかった。

実はその涙を見るまでは、夫はきっと息子と別れることを、そこまで悲しんでないのではないかと思っていた。もちろん子供を失うのは悲しい、けど夫が息子と一緒に過ごした時間は非常に短い。世間から見たら、産後すぐに亡くなってしまうのは流産したようなもの、珍しくない話なのかもしれない。

きっと夫もそうなんじゃないか。私が感じてるこの悲しみを本当にわかり合えるのは誰もいない。私だけが暗闇のどん底の絶望を味わってると思ってた。誰も私の気持ちは理解できないと思っていた。

けど、今横にいる夫は一緒に悲しんでくれた。私達の息子がいなくなることを涙を流して悲しんでいる。 私だけが悲しいんじゃないんだ、夫も息子を愛おしく思い、生きて欲しかったと思ってくれている。

一緒にいられたのは短い時間でも、夫も私と同じく今絶望的な気持ちになり、息子を愛して思ってくれている。

私と同じなんだと気付き、思わず夫の肩に手を置いた。泣いてる人に向かって言うのも変だけど、ありがとうと言いたくなった。

その後、息子は何度も命の危機に直面するも奇跡を起こし続け、二回の手術を経て、なんと最後11ヶ月になる直前に家に戻ってきた。

私たち家族はこの1年で沢山の困難にぶつかってきた。難しい選択を迫られた時には、夫婦で話し合い、悩みながらも、2人が納得する道を選び、前に進んできた。息子が生まれてから悲しいことも沢山あったけど、その分幸せを感じることも沢山あった。家族4人みんなで支え合いながら今日も生きてる。

夫じゃなかったらきっとこんな風に思えなかったと思う。

私が大好きな息子や娘を一緒に目一杯愛してくれる、大事なパートナーであり、人生の先輩であり、尊敬する夫。

普段は照れくさくてなかなか言えないけど、いつもありがとう。本当に感謝しています。

何があろうと私たちは全力で息子と娘を守り愛していこう。

これからもよろしくお願いします。

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