翔大は出産時のアクシデントで、低酸素性虚血性脳症、それに伴って24時間人工呼吸管理、右半身の筋緊張、原因不明の唾液過多があります。食事は鼻から経管栄養で摂っています。今年で4歳になる男の子です。
私は主に高齢者福祉の仕事に携わっています。数年前に障がい者の方々の支援の仕事に携わる事がありました。
その時に、家族様方の愛情や絆を感じていましたが、その当時の私は勉強不足も相まって、正直なところ中々理解出来ず職場を離れてしまいました。
数年経って、私自身が医療的ケア児の父親になり、ようやくその当時のご家族様方の愛情や絆を理解しつつあります。
障がいを患う事で「可哀想。」や「大変だね。」と言う言葉を耳に聞きます。
確かに、大変の言葉では片付けられないぐらい、様々な出来事があります。
でもそれ以上に「愛しい」です。
翔大がNICUに居た際に、妻とよく意見が喰い違いました。特に喰い違った事は気管切開をするかしないか。
翔大の自発呼吸の可能性を信じる私と、翔大の呼吸を少しでも楽にしてあげたい妻。
ずっと平行線の話し合いを繰り広げ、担当医とも何度も口論気味な話し合いを行いました。最終的に家に帰るには気管切開をしなければならない。と判断を受け、気管切開を行うことになりました。
今思えば、結婚前は妻と意見が喰い違う事は殆どありましたでした。きっとどこか互いに遠慮していたんだと思います。
翔大のおかげで互いに本音がぶつけ合える様になり、私達夫婦の絆が深くなりました。ただ、現在は妻の尻に敷かれている私がいます笑
翔大は沢山の事を私達夫婦に伝えてくれます。
翔大のおかげで医療的ケア児という存在を知りました。
そして、1日1日が大切な事。何も完璧じゃなくてもいい事。少しの成長でも嬉しい事。毎日を一生懸命に生きる事。
これからも翔大は沢山の事を私達夫婦に伝えてくれるんだと思います。
当面の目標はコロナが落ちついたら、両家の皆でディズニーランドへ行く事です。ディズニーランドに限らず、翔大には様々な世界を見せてあげたいです。今度は私達夫婦が翔大に伝えられたらと思います。
ここまで色々書いていますが、どのご両親も通る道かもしれませんが、子どもの様々な状況・状態をようやく受け止められる様になりました。
「生まれてきてくれてありがとう、翔大」と今は心から言えます。
終わり