当事者部門

「あわてなくて大丈夫!」 まぁママ

「得体の知れない新型ウィルス。息子が感染したら、間違いなく死んでしまう!!」
今年の初め、ニュースで毎日報道されていた、ダイヤモンドプリンセス号内での感染者の状況に怯えながらも、まだどこか、他人事のようにも感じている自分がいました。

それが、都市部から急速に自分の住む地域で、一人、二人と感染者が確認され「あのお店で働いている人がかかったらしいよ・・・」そんな噂が流れるようになり、他人事から一気に現実味を帯びてきました。

そして、ネットニュースで見て驚いた、「来週から全国の公立校を休校にします」という知らせ。忘れもしない、木曜日の夕方の発表で、来週月曜日から休校って、急過ぎる!!どうするの?どうなるの?娘は小学校の卒業式が目前に迫っているし、息子の学校でPTA会長をしている私は、年度末の行事や引継ぎなど、やるべきことが山積しているのに休校って!

普段はのんきな私ですが、さすがに急な展開と、増え続け押し寄せる感染者の波に、居ても立っても居られない、なんとも落ち着かない、でも何をしたらよいのかもわからない、不安な気持ちで息子の顔を見ました。

そこには、いつもと変わらない穏やかな顔。何も喋ることはできないけれど「慌てることはないんじゃない?」そんなテレパシーが伝わってきたように思いました。

息子は気管切開をしているため、痰の吸引をするときには、手指を清潔にしてから行います。それは新型ウィルスがあってもなくても変わらない習慣。自分で手を自由に動かすことができないため、息子自身が手を口や目など、ウィルスが体内に入りやすい場所に持っていくこともなく、さらには上手に嚥下ができないので、唾液は口元に置いたタオルが吸い取ります。

落ち着いて考えたら、あちこち自由に動き回って、触りまくる私たちよりも、ウィルスが体内に入るリスクは息子の方が少ないようです。
大切なのは私たち家族がウィルスを家庭に持ち込まないように注意すること。感染していても症状が出ないことが、一番厄介ではありますが、そんなに過剰に恐れなくても大丈夫!そう思えるようになりました。

それに、予定していた3月のスケジュール。命を守ることよりも重要なことは何一つありません。緊急事態なんだから、できることは全部後回しで良し!

時が過ぎ、感染者数が減少した覚えはないけど、緊急事態宣言が解除され、世の中はまた通勤、通学、レジャーなどで外出する人が増えました。なるべく時差通勤や出来る限りリモートワークをするように推奨されていますが、電車の中など公共交通機関は、昔のギューギュー詰めとはいかないまでも密な状態になってきています。

コロナ以前ほどではない今の「密」状態でも、車いすで公共交通機関を利用しようとすると、迷惑がられる息子たち肢体不自由児者。車いす利用者とその介助者にとっては、健常者が緊急事態宣言中に「外出しづらい」と思ったあの感じが、今も昔も変わらずずっと続いています。

肢体が不自由だと、外出するのも不自由?そんな世の中は、これから増える高齢者、そしていつか自分たちの外出も不自由にします。

世界中の人類が平等に経験している新型ウィルスの脅威は、言い換えれば、誰もが生きやすい世の中に変えるアイデアを生み出せるチャンスなのかもしれません。

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