当事者部門

「私たちの絆」 rumi

うちの長女は一歳十ヶ月の時に頭蓋骨縫合早期癒合症、クルーゾン症候群が発覚しました。十万人に一人と言われている、めずらしい難病です。
十四時間にも及ぶ頭蓋骨の手術を乗り越えて、今は元気に幼稚園へ通っています。
これからまた手術が必要になるかはわかりません。経過次第です。

そして、次女は生後五ヶ月の時、痙攣重積型二相性脳症という病気になり、一年近く入院しました。
なんとか命の危機を乗り越えて、寝たきりの重症心身障害児になりました。
胃瘻から栄養を摂って生きています。

二人とも、手術、治療、沢山の苦しみを乗り越えて来ました。
とても強い子達です、二人を誇りに思います。

特に、次女の入院中は、本当に辛い日々でした。命は取り留めたものの日が経つにつれ、明らかになっていく我が子の障害の重さ。
後遺症による、てんかん発作、脳萎縮による慢性硬膜下血腫。
次々に訪れるたくさんの困難。
本当に砕けそうな日々でした。

しかし、死の淵から戻ってきてくれた。
ママと、家族とまだ一緒にいたいよ、そう思って必死に頑張って戻って来てくれたのかもしれない。
そう思えるだけで、ママは本当に幸せでした。
これから起こる事、全てから守ってやろうそう思いました。

しかし、障害が明らかになっていくにつれ色々な感情が湧いて来ました。
これから、どうやって生きて行ったらいいのか…
世の中には、楽しい事がたくさんあります。
しかし、この子には、ブランコや、すべり台さえもさせてやれないかもしれない。
就職、結婚、自分で幸せを手にする事もできないかもしれない。

そんな事を考えるようになり、不憫に思いたまらなくなりました。
今起きている現状を受け入れられずに苦しみました。

でもある時、ふと思ったんです。
それは、私が望む幸せという形の押し付けにしか過ぎないのではないか…?

お風呂が最高に幸せと思う人がいれば、お風呂が大嫌いという人がいるように、人それぞれ、幸せの基準は違います。
少なくとも、今の次女はそんな事望んではいない。
穏やかに抱っこしてギュっと抱きしめると幸せそうに、ニコッと笑うんです。

ハッとしました。
これでいいんじゃないか…?
これが答えなんじゃないか…?
そう思ったんです。

もしも、この子が自分の力で幸せを掴む事ができないのならば、私が幸せにしてやればいい。
家族で支えてあげたらいい。
共に生きて行けばいい。
そう思うようになりました。

私や主人が生きている間は、何があっても必ず守ってあげる。
でも、いつか私達がいなくなった時は…?

いずれ、この社会に次女を託さなければならない日が来る。
大丈夫だろうか…今の社会を目の当たりにして、不安は拭えません。

ならば今、毎日の介護以外に、この子のために私に何ができるのか?
この子の将来のために…
この先、障害者や医療的ケアが必要な方々が、社会の一員としてもっと受け入れていただける様になるために。
そして、この子達を取り巻く環境がより、ひとつでも、ふたつでも良くなる事を願って。

それは、発信する事、今の社会を生きている皆さんに知って頂く事。
こんな子もいます!それでも負けず、頑張って毎日、笑顔で生きています。
これなら、私にもできる唯一の事だと思い書いています。

ここから、何かが変わっていくと信じています。
病気であろうと、障害があろうと、大切な大切な家族です。
この子達が生きてくれているからこそ、私は、頑張ろうと、新しい毎日をスタートさせる事ができます。

健常者でも、障害児でも、医療的ケア児でも、同じ様に命というものはとっても尊いものです。
あなたがいるから頑張れる。そう思ってくれている人が必ずいます。
人は皆だれもが、こうして支えてもらいながら生きています。

本当にどんな体になっても、生きててくれてありがとう。産まれて来てくれてありがとう。
心から我が子達に伝えたいです。
だから、これからどんな試練が訪れたとしても、必ず乗り越えて行けそうな気がするんです。
それは、絶対に揺るがない家族の絆があるから、そう思えるんです。

今日も家族そろってお風呂に入れた。
今日も家族そろって、おやすみとお布団に入れた。
今日も家族そろって同じ場所で一日を終える事ができた。

一見、平凡でつまらない、この日常こそ、毎日同じ事の繰り返しの、この「普通」こそが、本当は奇跡なんだと。
とても、幸せな事なんだと。
この子達が、気づかせてくれました。
これからも、一日一日を大切に、共に生きて行こうと思っています。

 

 

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