当事者部門

「繋がり、開く」 川崎 薫

息子はもうすぐ2歳になるが、首も座らなければ、目も合わない。もちろん、呼び掛けても反応はない。

酸素の管に経管の管、それをとめるテープ、さらに抱える大きな鞄が人目を引く。時にはヒソヒソと、時には面と向かって『かわいそう』『たいへんね』と言われることがある。

そんな時に『そんなことないのに』と思えるのは、周りの人との繋がりと優しさのおかげだと思う。

病院に行けば、病棟の看護師さんも外来の看護師さんもお医者さんもみんなが『大きくなったね!』と声をかけてくれる。いつものスーパーでは、エコバックを忘れてしまったのにビニールの中に商品を全て入れてくれた。小さな女の子がお店の扉を開けて待っていてくれた。役場に行けば次々に声をかけてくれて、様子を気にしてくれる。親の様子まで気にかけてくれる訪問看護やデイサービスのスタッフ、リハスタッフ、外出は大変だからと家まで来てくれる友人、、、

なんて恵まれているんだろう。なんて幸せなんだろう。なんてありがたいんだろう。
この子はハンディキャップと呼ばれるものを持って生まれてきたけれど、人一倍の愛と、人一倍の優しさに囲まれて生きている。

この子が来てくれたことで、お姉ちゃんの時とは違う新しい世界を見ることができているのだ。

預かり先がなかなか無いこと、仕事がてきないこと、いろいろ壁にぶつかることもある。でも、その度に新しい縁ができてなんとかなっている。

この先もきっと、壁にぶつかりながらも、繋がり、開く。でもそれが、楽しみで仕方がない。

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