当事者部門

「メルアンジュール」 落合 尚美

『メルアンジュール』
意味:メレンゲ・・・混ぜ合わせる アンジュール・・・ある一日

障害のある人、ない人、大人、子供、一緒に過ごす何気ない一日が素敵でありますように

2006年9月、初めての出産で私は重心児の保護者となった。

生後2日目、顔色の悪さとミルクの飲みの悪さで大学病院のNICUに搬送された娘。
エレベーターの扉が閉まるのを、茫然と見送ったのを覚えている。大学病院での手続きはすべてパパ任せ。電話で様子を聞くと、「あくびしていて可愛かったよ」。

保育器の中で色々なチューブにつながれ、きっと痛々しいと表現されることが多いだろう中、パパの心からの一言でどれだけ心が救われたことか。

その後、未就園児が通う療育のクラス、医療型児童発達支援センター(入園時は療育センター)、支援学校、と、娘の成長とともに歩んできた。保育士の先生がた、機能訓練士の方々、たくさんの出会いがあった。

そして、就学してからの大きな出来事の一つとして、放課後デイサービス事業所との出会いがある。

医療的ケアを必要とする重心児が通える場所は相模原市に一か所で、行き届いたサービスに人気もあり、月に1〜2回の利用というところからのスタートであった。通える回数は少ないとしても、本人が付き添いなしで、楽しむために行く場所ができた、そのことは家族にとって、なにより娘自身にとって大きな喜びとなった。放課後デイサービスの存在のおかげでパート勤務も可能になり、私の中にも恩返しをしたいという気持ちが強くなっていった。

そして、娘の高校卒業に合わせて生活介護事業所を立ち上げること、そこで本人の楽しみとともに保護者の就労にも貢献できること、が私の夢となった。

その夢に向かうべく、まず最初にやることは放課後デイサービス事業所を立ち上げ、重心児の居場所を増やすことだと考え、一番最初にできることとして自家用車として福祉車両を購入し、来たるべき送迎に備えることにしたのである。

その後、周囲の方々にたくさんの力をお借りし、2019年6月に放課後デイサービスを開所することができた。

それが冒頭にに書いた『メルアンジュール』である。ここで働くスタッフとは様々な形での出会いがあった。

もともと仕事の仲間として。幼稚園のママ友として。知人の紹介を通して。別のところを志望されていた方を強引に・・・。

職種も様々で、看護師・保育士・機能訓練士・児童発達管理責任者・・・。重心児と触れ合うことが初めての方も多くいる。開所から1年半がたち、今では、利用してくれている全児童に対するスタッフの愛があふれている。

大人も子供も笑顔がたくさん。それを見ていたらどんな素敵な出会いだったかが伝わってくる。そして、このすべての出会いを結んでくれた娘に、私は心から伝えたいと思う。

「生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ」と。

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