当事者部門

「私たちの絆」 岡田 恵美

(注)応募時に無題だった作品は、作文コンテストのテーマである「私たちの絆」をタイトルとしています

私には自閉スペクトラム症の子どもが2人います。うち1人は医療ケアの必要な子どもです。
今回は医療ケアのない息子の話をしようと思います。

彼は私の初めての子どもです。小さい頃から車を裏返して並べてタイヤを回して長時間遊んでいたり、アニメのセリフを覚える事が好きで繰り返し見てセリフを覚えたりしている子どもでした。

周りの人からは「手がかからなくて良い子だね!」と沢山言われていました。でも、本当は子育て広場へ行けばお友だちに近づくこともできず授乳室に引きこもったり、離乳食も白いものしか食べず2歳半を過ぎても母乳ばかり飲んでいたり、横断歩道は白い所だけを歩かないといけない、床屋さんのクルクル回る看板は1時間は見ていないといけない。など、こだわりが強く無理に止めようとするとパニックを起こしてしまう子どもでした。

私は彼がタイヤを回していたり、何かに集中している時は良い子だからと人と会う時はパニックを起こさないように一生懸命生活していました。
彼がパニックを起こしている時、私もどうしたら良いのかわからずパニックを起こしている彼を見るのが辛い時期もありました。
何で回るものが好きなのか、どうして物を並べたいのかと、彼と同じ体制になって同じ時間を過ごしたりもしました。
しかし、何でそうしたいのかわかりませんでした。

彼は成長するにつれて周りの人と同じ行動をしないといけないと思うようになり、頑張れば頑張るほどチックの症状が出るようになりました。
そんな時、医療ケアが必要な妹が産まれました。彼は鼻にチューブをつけた妹を「かわいい」と言ってくれました。

私は、普通ってなんだろう?と考えるようになりました。私って普通なのか、誰が普通なのか‥‥。
きっと普通ってないのかもしれないと思うようになりました。

彼のこだわりも、娘の医療ケアも自分の苦手なことも、それは個性なんだと思えるようになりました。
また、個性って面白いと思うようになりました。
人とのコミュニケーションが苦手で頑張り過ぎるとチックが出てしまう彼ですが、記憶力が良くて興味があることはすぐに覚えてしまう彼の事を私はすごいと思います。

彼を育てていなければ個性って面白いなんて思うことはなかったと思います。
こだわりや人とのコミュニケーションが苦手で、頑張りすぎると気持ちが辛くなってしまう彼ですが、そんなあなたの個性を私は大好きだよ。とこれからも沢山伝えていきたいです。

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