当事者部門

「コロナ禍のアメリカ オンライン授業とセラピーで見えたもの」 たも

4歳になる息子は、
OFD症候群という遺伝子疾患を持っており
先天性心疾患や肢体不自由を持って産まれてきました。知的にも遅れがあり、少ないながらもいくつかの単語を話します。

今は、アメリカ、ニュージャージー州の障害児のためのスクールに通っています。しかし、こちらはニューヨークに通勤する人も多く、コロナ禍にはロックダウンで外に出れない時期が長く続きました。

当然息子の学校も、3月から休校になりました。休校後1週間程してから、オンライン授業が始まることに。本当に素早い対応でした。Google meetを使って、担任の先生との授業や、学校のセラピストとのセラピーが始まりました。

毎日30分×2回のセラピー(身体、言語、作業療法)を先生の指示を元に、私が息子に施します。大変有り難いのですが、とにかく英語がスムーズに出来ない私には混乱しました。正直にその気持ちを先生方に伝えて、通訳をつけてもらうことになりました。

そこから、毎日のセラピーに加えて、家の周りを100mm歩く散歩のようなリハビリを息子と続けることにしました。3月時点でつかまり立ちしか出来なかった息子ですが、毎日毎日のセラピーと散歩だけは欠かさずやり続けました。休憩しつつ歩くのに1時間ほどかかります。とにかく、今まで出来るようになってきたことを現状維持したいと先生方の熱い気持ちが伝わってきたことも、モチベーションになっていたと思います。
息子は、私がよく「よいしょ」と言うので、真似をして「おいちょ」と言いながら、毎日毎日同じルートを歩きました。

セラピーでは「今日は何がしたい?」と先生が息子に聞いてくれます。とにかく息子の意思を確認し、尊重してくれる姿に私は驚きました。
私は息子のサポートをしていると、ついつい、「手を洗おう」と行って御手洗いに連れて行くというような、私がリードするようなやり方がほとんどになってしまっていたからです。

息子は、毎日冷蔵庫に行って、ヨーグルトを出して食べるなど、先生を笑かしていました。先生方はいつも楽しく、素晴らしいリアクションで褒めてくれます。

そして、8月頃にはついに手を持ってやると、歩けるようになってきました。

手を持てば歩けるようになって、とても嬉しかった私は理学療法士のローリー先生からこのように伝えられました。

「手を持って歩けるのは本当に素晴らしいけど、息子には、歩行器で1人で歩けるようになってほしい。それは、自分の意思で行きたいところにいけるようになってほしいから。」

これがアメリカの教育・・
不自由なところがあっても、自分の意思を持つこと、これが本当の意味での自立。
インディペンデントなんだなぁと実感すると共に、先生方も大変な最中、息子にも私にも、大きな愛を持って接してくれていることが本当に良く伝わってきて、嬉しかった出来事です。

10月に入り、学校もやっと再開してきました。息子は本当に楽しそうにしています。
身の回りのお世話をしてくれるヘルパーの先生が、教室から居なくなると怒るそうです。
あぁ、息子を愛してくれて、息子が楽しいと思える居場所が出来て本当に良かった。
それが、リモート授業で良くわかったこと。
アメリカの教育の根っこのような部分が垣間見れたことは私にとって素晴らしい経験となったと感じています。

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